あなたはものがたり列車というものをご存知でしょうか。
JR四国が運行している、人気の観光列車です。
ものがたり列車に乗ってみたいけど、旅行のプランニングが難しかったり、きっぷの手配方法がよくわからなかったりということで困っていないでしょうか?
この記事では、バースデイきっぷを使ってお得にものがたり列車に乗って四国一周旅行した経験をもとに、ものがたり列車についてやその予約方法を紹介します。
この記事を読めば、ものがたり列車をうまく乗り継ぐプランや、バースデイきっぷというお得なきっぷでのものがたり列車予約方法がわかります。
四国旅行を考えている人や観光列車に乗ってみたい人にとっても参考になればと思います。
ものがたり列車はJR四国の人気観光列車
まずはものがたり列車についての紹介です。
ものがたり列車とはJR四国の人気の観光列車で、以下のように一般の鉄道とは異なる様々な特徴があります。
- 絶景等、見どころではゆっくり走る
- 特急列車とも異なる特定の駅のみに停車する
- 停車駅での停車時間は長め
- 停車駅では列車から降りて駅でのおもてなしが受けられる
- 運転士さんや車掌さんに加えて、アテンダントの方も乗車されている
- 別料金で、専用の食事や軽食、お酒を含めた飲み物のサービスがある
- 車内でお土産の販売がある
- 沿線からたくさんの人が手を振ってくれる
とにかく最高のおもてなしを受けられるので、この列車に乗るためだけに四国に来る価値があるといっても過言ではないです。
ものがたり列車は、具体的には以下の3種類があります。
- 伊予灘ものがたり
- 志国土佐 時代(トキ)の夜明けのものがたり
- 四国まんなか千年ものがたり
それぞれのものがたり列車について紹介していきます。
伊予灘ものがたり
伊予灘ものがたりは、ものがたり列車の中ではもっとも歴史が古く、運行開始は2014年です。
愛媛県北西部を走っていて、運行区間は以下の4パターンがあり、1日2往復です。
- 大洲(おおず)編:松山08:26 – 伊予大洲10:28
- 双海(ふたみ)編:伊予大洲10:57 – 松山13:01
- 八幡浜(やわたはま)編:松山13:31 – 八幡浜15:50
- 道後(どうご)編:八幡浜16:14 – 松山18:17
運行日は土日祝日がメインで、時期によっては金曜日も運行しているようです。
伊予灘ものがたり乗車記はこちら。
四国まんなか千年ものがたり
四国まんなか千年ものがたりは、2番目に運行開始されたものがたり列車で、運行開始は2017年です。
香川県西部と徳島県西部を走っていて、地理的に見た四国の中央部から北部を縦断するような形になっています。運行区間は多度津駅と大歩危駅との間で、1日1往復です。
- そらの郷紀行:多度津10:19 – 大歩危12:47
- しあわせの郷紀行:大歩危14:21 – 多度津17:14
運行日は土日祝日がメインで、時期によっては金曜日も運行しているようです。
志国土佐 時代(トキ)の夜明けのものがたり
志国土佐 時代(トキ)の夜明けのものがたりは、もっとも新しいものがたり列車で、運行開始は2020年です。
高知県南部を走っています。運行区間は日によって異なり、土日祝日や一部の時期の金曜日は以下の2パターン1往復です。
- 立志の抄:高知12:04 – 窪川14:40
- 開花の抄:窪川15:13 – 高知17:53
時期によっては金曜日にJR四国と土佐くろしお鉄道にまたがって、以下の2パターン1往復で運行されることもあるようです。
- 煌海(きらめき)の抄:高知12:00 – 奈半利14:35
- 雄飛(ゆうひ)の抄:奈半利15:18 – 高知17:57
志国土佐 時代の夜明けのものがたりの乗車記はこちら。
ものがたり列車で四国一周する旅行プラン
ここからは、ものがたり列車で四国一周する旅行プランを考えてみます。
ものがたり列車3種類すべてに乗ると、ちょうど四国4県をすべて訪れることができるので、そのようなプランを考えます。
ものがたり列車3種類に2日間で乗るプラン
ものがたり列車は時期によっては金曜日も運行しますが、基本は土日祝日が運行日です。
そのため、タイミングによっては土日の2日間だけで3種類の列車に乗る必要があります。
それぞれの列車の運行時刻と駅間の移動時間を考えると、ものがたり列車3種類に2日間で乗るプランは2つしかありません。
四国を反時計回りに回るプラン
- 1日目:伊予灘ものがたり(大洲編)
松山08:26 – 伊予大洲10:28 - 1日目:時代の夜明けのものがたり(開花の抄)
窪川15:13 – 高知17:53 - 2日目:四国まんなか千年ものがたり
しあわせの郷紀行:大歩危14:21 – 多度津17:14
このプランでは1日目にものがたり列車2種類に乗ります。
ものがたり列車1本目の降車駅である伊予大洲から2本目の乗車駅である窪川までの移動は、一部の区間で特急を使い、乗り継ぎ経路は1パターンのみです。
ものがたり列車2本目の降車駅である高知から3本目の乗車駅である大歩危までの間だと、高知が一番栄えているので宿もここが取りやすいでしょう。
高知から大歩危までの移動は、高知を13:13に発車する特急に乗れば間に合います。
特急を利用しない場合は、早朝に1本だけ普通列車があります。
四国を時計回りに回るプラン
- 1日目:四国まんなか千年ものがたり(そらの郷紀行)
多度津10:19 – 大歩危12:47 - 1日目:時代の夜明けのものがたり(雄飛の抄)
奈半利15:18 – 高知17:57 - 2日目:伊予灘ものがたり(道後編)
八幡浜16:14 – 松山18:17
このプランも1日目にものがたり列車2種類に乗ります。
1日目に時代の夜明けのものがたりの雄飛の抄が運行している日限定のプランなので、金曜から土曜にかけての日程になるでしょう。
この場合、翌日日曜もものがたり列車の運行があるはずなので、そこまで含めた3日間で旅程を組んだ方が楽そうです。
ものがたり列車1本目の降車駅である大歩危から2本目の乗車駅である奈半利までの移動は、反時計回りプラン同様に一部の区間で特急を使い、乗り継ぎ経路は1パターンのみです。
また、後免から奈半利の区間は、普通列車で向かいものがたり列車で帰ってくるという形で同じ区間を往復することになります。
ものがたり列車2本目の降車駅である高知から3本目の乗車駅である八幡浜までの移動は宇和島経由の想定です。
宇和島を経由せず香川県の多度津を経由して行くこともできますが、この場合高知から大歩危に引き返したりと同じ経路の往復が多くなり、四国一周という感じが得られにくい気がします。
宇和島経由で行く場合、高知か宇和島が宿が取りやすいと思います。
高知泊の場合、2日目は高知を08:20に発車する特急に乗る必要があり、そこそこ朝は早いです。
ものがたり列車3種類に3日間で乗るプラン
ものがたり列車3種類に3日間で乗る場合は、1日1種類ずつ乗ればいいのでプランの自由度がかなり上がります。
いろいろなプランが考えられるのでここでは紹介しませんが、私の場合は3日間かけて以下のプランで移動しました。
- 1日目:伊予灘ものがたり(八幡浜編)
松山13:31 – 八幡浜15:50 - 2日目:時代の夜明けのものがたり(開花の抄)
窪川15:13 – 高知17:53 - 3日目:四国まんなか千年ものがたり
しあわせの郷紀行:大歩危14:21 – 多度津17:14
1日目:伊予灘ものがたり(八幡浜編)の記事はこちら。
ものがたり列車の乗り方
ものがたり列車は、どの車両も全席グリーン車指定席となっています。
乗車には乗車券・特急券・グリーン券が必要になり、予約は全国のみどりの窓口や、主な旅行会社で可能です。
他のJRのきっぷと同じで、1か月前から予約できます。
ものがたり列車は人気の観光列車ですが、座席数は限られていて多くても60席程度です。
そのため、特に繁忙期は予約が埋まりやすいです。
ものがたり列車に乗る場合はなるべく早いタイミングで予約するのがいいでしょう。
ものがたり列車の料金
ものがたり列車の料金は乗車区間や時期(通常期・繁忙期・最繁忙期の3パターン)により異なります。
例として、ものがたり列車それぞれの最長区間を通常期に乗車する場合の料金は以下のようになります。(2023年5月20日の運賃改定後の料金です)
ものがたり列車 | 区間 | 運賃 | 特急料金 | グリーン料金 | 運賃・料金合計 |
伊予灘ものがたり | 松山~八幡浜 | 1,430円 | 1,200円 | 1,500円 | 4,130円 |
四国まんなか千年ものがたり | 多度津~大歩危 | 1,430円 | 1,200円 | 1,500円 | 4,130円 |
志国土佐 時代(トキ)の夜明けのものがたり | 高知~窪川 | 1,640円 | 1,200円 | 1,300円 | 4,140円 |
バースデイきっぷでものがたり列車に安く乗る方法
JR四国はいろいろとお得なきっぷを販売しているのですが、その中で特にバースデイきっぷがとてもお得だったので、ここで紹介します。
バースデイきっぷとはJR四国が販売している特別企画乗車券です。
誕生月の連続3日間、JR四国全線と土佐くろしお鉄道全線の特急列車が乗り降り自由になります。
自由席用とグリーン車用の2種類があるのですが、グリーン車用を購入すれば、追加料金なしでものがたり列車に乗ることができます。
実際にバースデイきっぷを使ってものがたり列車全種に乗車できたので、それがどの程度お得だったか計算してみました。
3日間かけてものがたり列車3種に乗ったのですが、その前後も多少JRで移動しているので、その移動も含めて計算しています。
もしバースデイきっぷを使わなかった場合の料金は下の表のとおりです。
区間 | 列車名 | 運賃 | 特急料金 | グリーン料金 | 運賃・料金合計 |
児島~松山 | 特急しおかぜ | 3,670円 | 2,200円 | 930円 | 6,800円 |
松山~八幡浜 | 伊予灘ものがたり | 1,300円 | 1,600円 | 1,500円 | 4,400円 |
八幡浜~宇和島 | 特急宇和海 | 670円 | 530円 | 1,160円 | 2,360円 |
宇和島~窪川 | しまんトロッコ2号 | 1,870円 | 530円 | 2,400円 | |
窪川~高知 | 時代の夜明けのものがたり | 1,470円 | 1,600円 | 1,300円 | 4,370円 |
高知~大歩危 | 南風 | 1,300円 | 1,200円 | 1,700円 | 4,200円 |
大歩危~多度津 | 四国まんなか千年ものがたり | 1,300円 | 1,600円 | 1,500円 | 4,400円 |
多度津~高松 | しおかぜ・いしづち | 670円 | 530円 | 1,930円 | 3,130円 |
合計 | 12,250円 | 9,790円 | 10,020円 | 32,060円 |
総額は32,060円となります。
ところが実際にはこの移動すべてがバースデイきっぷでまかなえました。
バースデイきっぷは13,240円だったので、差額18,820円分もお得に旅行できました。
ちなみにこの旅行は2023年5月のJR四国の運賃改定前のタイミングでしたが、運賃改定後も同じくらいのインパクトがバースデイきっぷにはあります。
バースデイきっぷの予約方法
バースデイきっぷはJRの通常のきっぷと異なり、全国のみどりの窓口で買えるわけではなく、以下のように買える場所が限られています。
JR四国の駅のみどりの窓口、みどりの券売機プラス、ワープ支店及び四国内の主な旅行会社
JR四国ツアー
今回は下記サイトでネット購入しました。
購入からきっぷ受け取りまでは以下の流れでした。
- ネットからバースデイきっぷ購入申し込み
バースデイきっぷ利用開始日の1か月前から申し込み可能
ものがたり列車等、指定席予約はお申し込みフォーム最後のご希望欄に入力 - メールアドレスに申し込み受付のメールが届く
- 希望の指定席の確保状況がメールで届く(※)
- 決済までに、誕生日がわかる公的証明書をメールかFAXで送付
- クレジットカードで決済
決済の猶予は1週間程度
決済までの期間であれば、指定席の予約をメールで追加可能 - バースデイきっぷ・指定席券が郵送で届く
郵送代はきっぷ代と別に、決済時に同時支払い
「希望の指定席の確保状況がメールで届く(※)」という部分について補足します。
バースデイきっぷを利用開始日1か月前に申し込んだ場合、例えばバースデイきっぷ利用2日目の指定席券の予約手配は、バースデイきっぷ申し込みの翌日に行われます。
指定席の手配は、乗車日1か月前を待って行われるということです。
表にすると以下のようになります。
乗車予定日 | 申し込み日 | 座席手配日 |
5月3日 | 4月3日(=1か月前) | 4月3日 |
5月4日 | 4月3日(=1か月1日前) | 4月4日(=1か月前) |
5月5日 | 4月3日(=1か月2日前) | 4月5日(=1か月前) |
まとめ
この記事では、四国の人気観光列車であるものがたり列車を紹介し、その予約方法やお得に乗るためのバースデイきっぷの紹介をしました。
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