【2016年】ペルー旅行記・地上絵の町ナスカ

ナスカ ペルー
ナスカ

南米ペルーを旅する上で、ナスカは見どころの1つになります。

ナスカと聞いて連想されるのは、まず地上絵です。
しかし実際に行ってみたら、それ以外の魅力もあることに気付きました。

ナスカについて

ナスカへの行き方

ペルーの主要な見どころ都市の中で、ナスカは比較的交通の便が悪い場所です。
空港があるものの、地上絵遊覧フライト専用飛行場なので、他の地域との移動に飛行機は使えません。
そして、列車も通っていません。

そのため、ナスカに行く際はバスで行くのが基本となります。
バスを使えばいろいろな町からナスカへ来ることができます。

私の場合は首都リマからナスカに行き、翌日にナスカからリマに戻る日程にしました。
2016年当時で、料金は片道73ソルで、日本円にすると2500円弱といったところでしょうか。
移動時間は大体7時間30分で、途中でイカ等いくつかの町に立ち寄り、そこでも人の乗降がありました。

2016年にペルーを旅した際に利用したのは、Cruz del Sur(クルス・デル・スール)という大手バス会社です。

Cruz del Sur – Portal Web

Cruz del Sur(クルス・デル・スール)というのは、ペルー国内の老舗の大手バス会社です。

ペルーのバス会社の中で安全性はトップクラスでしょう。
万全のセキュリティ対策がされており、乗る前に簡単な荷物検査と、着席したタイミングでビデオカメラによる顔の撮影が行われます。

乗り心地もとてもいいです。
1階がファーストクラスで2階がエコノミーに相当するのですが、2階でも十分だと思いました。
さらに、長時間移動のバスなので、トイレも付いています。

ペルー滞在中に3回利用しましたが、いずれの移動もとても快適で大満足でした。

ナスカの町の様子

ナスカの町に行ってみた最初の感想は、砂漠の中の町という印象でした。

頭の中では、常に砂漠風のBGMが流れていました。

町の周辺には荒野が広がっていて、日差しが強くて暑く、さらに空気が乾燥しているので、まさに砂漠のイメージです。

ナスカに来る前にマチュピチュ、クスコ、プーノという、標高が高くて涼しい場所を辿って来たことも余計に砂漠イメージを強めてくれました。

ペルーに限らず、特に途上国の暖かい地域の町は、夜まで賑やかなものです。

夕食後、夜7時か8時頃の公園はこんな感じでした。

ナスカの夜の広場
ナスカの夜の広場
ナスカの夜の広場
ナスカの夜の広場

結構小さい子が、夜の広場で昼以上に活発に遊んでいることに衝撃を覚えます。

ナスカは地上絵を売りにしていて、いたるところで地上絵がモチーフになっています。

町の中にはこんな壁があります。

ナスカの町の壁
ナスカの町の壁

広場のタイルにも地上絵です。

ナスカの広場のタイル
ナスカの広場のタイル

お土産物屋がいくつかあり、どこも多数の地上絵柄のTシャツを売っています。

お土産としてのお菓子はあまり置いていませんでした。

買い物ついででいえば、ナスカに限らず、ペルーではインカコーラがおいしかったです。

リアルゴールドに似てるような気がするのですが、癖になる味です。

ペルーに行ったら1回は飲んでみてください。

ナスカの食べ物

ナスカは比較的太平洋に近く、魚介類を出すお店が多いです。

こちらはセビーチェ(Ceviche)という食べ物。

セビーチェ
セビーチェ

魚介類のマリネのことで、紫タマネギが添えられています。

レモンの酸味と香辛料の辛味のバランスが絶妙でした。
具は、エビ、イカ、ホタテと何かの魚です。(なんだったかな)
左の方にあるのは、ペルー特有の大粒のコーンですね。

外国で魚介類を生で食べると考えるとちょっと不安でしたが、お腹を壊すようなこともありませんでした。

広場周辺にはポジョ・ア・ラ・ブラサ(Pollo a la Brasa)というチキンの丸焼きが食べられるお店があります。

こんな食べ物です。

ポジョ・ア・ラ・ブラサ
ポジョ・ア・ラ・ブラサ

この写真は鶏4分の1サイズなのですが、十分ボリュームがあって満足でした。

広場周辺に見つけた3軒のお店のうち、1件は観光客向けで、2件は地元の人も使っていそうな感じです。

ナスカの地上絵フライト

ナスカに行ったら、地上絵遊覧飛行は外せません。

私の場合は、ホテルにチェックインするタイミングで、翌朝の地上絵遊覧のフライトを申し込みました。

フライトの手配のサービスはナスカの町の大抵のホテルでやっているようなので、手配に困ることはないでしょう。

飛行機の種類や飛行ルートにもいろいろと種類があります。
飛行機が小型になるほど小回りするので酔いやすいですが、席が1列でまた低いところを飛ぶので地上絵は見やすいそうです。

飛行ルートについては、まず定番のルートがあり、オプションとしてさらに別の地上絵も見るかどうかという点を選べます。
せっかくなので追加オプションの地上絵も見てきました。

しめて95ドルなり。

地上絵遊覧は、時間帯によって見やすさが変わります。
空気がきれいだからか、朝の方が見やすいです。
なので、1泊して朝からのフライトで地上絵を見るというのはちょうどいいでしょう。

私の場合、朝8時にホテルのフロントで送迎の車を待ちました。

酔うのが怖いので朝食は抜きです。

空港まで移動し、体重を測った後空港税を払ってセキュリティチェックを受けたら、慌ただしくすぐに飛行機に乗せられました。

空港税ですが、ドルで支払うとレートがかなり悪いので、ソルで支払うことをおすすめします。

10ドルが大体30ソルに相当するので、空港税25ソルを支払うときに、10ドルを出したら5ソル程度帰ってくる想定でした。

しかし実際にやってみると、お釣りが出ません。

慌ててソルで支払いましたが、こんなにレートが悪いのは驚きです。

フライト

飛行機に乗ったら、シートベルトとヘッドホンをします。

ヘッドホンからは、パイロットの方の案内音声が流れてきます。
なぜヘッドホンかというと、そうでなければエンジンやらプロペラやらの音にかき消されてまったく聞こえないからですね。

飛行機はあっという間に離陸します。

セスナ機に乗るのは初めてだったんですが、離陸の瞬間はちょっと感動します。

ライト兄弟もこんな気分だったんだろうかとか妄想していました。

フライトが始まると次々に地上絵を見て回ります。

朝の比較的見やすい時間帯だというのに、なかなかはっきりとは見えません。

パイロットの方のガイドがなければ見つけられる自信はないです。

ガイドぶりは大したものでした。

「左の翼の下に、次の絵が見えてくるよ。もうすぐ・・・もうすぐ・・・もうすぐ・・・ここ!」といった調子で、実際それに従うと見つけられるのです。

フライトが終わったら、パイロットの方と記念撮影をすることができます。

チップの準備はお忘れなく。

こちらはフライト後に撮った、別の飛行機の様子です。

なんとなくセスナ機の大きさがイメージつくのではないでしょうか。

ナスカの地上絵遊覧用のセスナ機
ナスカの地上絵遊覧用のセスナ機

フライトの後は再び送迎の車でホテルに戻ります。

8時に出発して10時に戻ってきたので、実際あっという間でした。

酔い止め

地上絵のフライトには酔い止めが必須です。

私は日本で買って持っていきました。

飛行機が揺れるから酔うのではありません。

酔いそうになる理由は、景色だけが普段体験したことのない動きをするからです。

フライト中、地上絵を見るために、飛行機は傾いたまま円を描くように飛ぶことがよくあります。

意外と飛行機がスムーズに飛ぶので、傾いて飛んでいるという体感がないのに窓の外の景色が回っていきます。
このような瞬間に酔うのです。

ミラドール

ナスカの地上絵は、セスナに乗って空から眺めるのがメインです。

しかし、楽しみ方はそれだけではありません。

地上で、地上絵に限りなく近くから見ることができます。
それが、ミラドール(mirador)です。

ミラドールとは、ナスカの地上絵を見るために建てられた鉄塔です。

今は観光用途がメインですが、建設当初は学術的な利用がメインだったんでしょうか。

パンアメリカンハイウェイのすぐそばに建っています。
このハイウェイはペルーの首都リマからナスカに陸路で来るときにも、ほぼ間違いなく利用される道路です。
そのため、移動の車中からも見ることができます。

正面から見るとこんな感じです。

ミラドール正面
ミラドール正面

すぐそばではお土産が売られています。

買う気がなかったので値段のチェックもしていませんが、商売上手ですね。

ミラドールを横から見ると、本当にただの鉄塔です。

ミラドール横
ミラドール横

近くで見るとこうです。

ミラドール近接写真
ミラドール近接写真

本当にただの鉄の骨組みで最低限の手すりしか無いので、上り下りの際は少しだけ勇気がいります。

ミラドールへの行き方

ミラドールへは、ナスカから車で行くのが一般的です。

車で20分から30分くらいの距離です。

私の場合は、ホテルで車をチャーターしてもらって行きました。

36ドルかかりましたが、今思えばぼったくり価格だったかもしれません。

ナスカのフライトの予約と同時に手配したので、安く思えてしまったのがよくなかった。

ナスカのホテルは地上絵観光を売りにしているので、どこのホテルでも車をチャーターできそうな気がしますが、ホテルで手配できなかったら、タクシーと交渉することになるのでしょう。

ミラドールの料金

ミラドールに上る際は、見学料が必要になります。

私が行った2016年の時点では3ソルでした。

その時点で最新の地球の歩き方には、2.5ソルと書いてあったような気がするので、結構な勢いで物価が上がっているのかもしれません。

ミラドールから見える地上絵

ミラドールからは、「木」と呼ばれる地上絵と「手」と呼ばれる地上絵が見えます。

こちらは「木」。

ナスカの地上絵「木」
ナスカの地上絵「木」

こちらは「手」。

ナスカの地上絵「手」
ナスカの地上絵「手」

事前に、地上絵は線がはっきりしていないという情報を得ていたので、かなりぼんやりしたものを想像していたのですが、思ったよりもくっきりと見えるのだなという印象でした。

この時は夕方ちょっと前くらいでしたが、ミラドールから地上絵を見る際は、夕方の方が線が見えやすいと聞きます。
日が傾いて影がわかりやすくなるからでしょう。

荒野の景色

実は、ミラドールに上ってもっとも感動的だったのは、地上絵ではなく荒野の景色でした。

草木のない乾燥した荒野が青空の下にどこまでも広がっている、日本では絶対に見られない景色です。

ナスカの荒野
ナスカの荒野

道路側の景色も好きです。

ナスカの荒野とハイウェイ
ナスカの荒野とハイウェイ

こちらは、荒野の中にただ1本の道路がまっすぐ通っているだけなのですが、道路があることで、余計に南北アメリカ大陸の広大さを感じます。

イージーライダーという映画を思い出すのは私だけではないはず。

私が上ったタイミングでは他に誰も上っていなかったので、この景色を独り占めできて本当に最高の気分でした。
1人で行くのも悪くないものです。

ナチュラル・ミラドール

ナチュラル・ミラドールとは、パンアメリカン・ハイウェイ沿いにある、ミラドール近くの小高い丘のことです。

高さは10メートルから15メートル程度といったところでしょうか。

ここに登ると、地上絵を見下ろすことができます。

人工の鉄塔であるミラドールに対して、天然の丘で同じように地上絵を観察できるので、ナチュラル・ミラドールというわけですね。

ナチュラル・ミラドールはミラドールのすぐ近く、車で1分程度の距離にあります。

こちらは入場料のようなものはなく、無料で登ることができます。

その見た目はこんな感じ。

ナチュラル・ミラドール
ナチュラル・ミラドール

黒い石を取り除いて白い地面を露出させて、道にしています。

地上絵の作り方と同じなのが面白いです。

入口から見える丘を登って越えると、奥にもう1つ丘があります。

この谷間に入ると、ハイウェイがほとんど見えなくなります。

ナチュラル・ミラドール
ナチュラル・ミラドール

周囲に人工物のない荒野を味わうことができます。

火星かどこかに来てしまったかのような、スターウォーズに出てくる砂漠っぽい星のことを思い出しました。

世界の果て感がものすごいです。

ナスカを旅程に組み込むには

最後に、ナスカへの旅を旅程に組み込むことについてです。

私の場合、リマを起点にして丸2日を費やすような形になりましたが、ちょうどよかったと思います。

クルス・デル・スールのバスを利用してリマからナスカに来て、またリマに戻りました。

行きのバスは、リマを朝の7時30分に出発し、ナスカに午後3時ごろ到着。

帰りのバスは、ナスカをお昼の12時30分に出発し、リマに午後8時ごろ到着。

ナスカへの滞在時間は1日目の午後3時ごろから2日目の昼12時30分までです。

2日目の朝8時から10時は地上絵遊覧フライトなので、ミラドールとナチュラル・ミラドールに行くならそれ以外の時間となります。

日が暮れると見えないということと、フライトの後の時間に余裕を持たせることを考えると、1日目のナスカについた直後がベストタイミングです。

多少時間を調整して、日没の手前くらいの時間にするとなおいいかもしれません。

フライトとミラドール以外の時間で、街歩きは十分です。

ナスカの町自体はあまり見るところはありません。

ナスカの旅とそれ以外のペルーの旅の接続についていえば、私はナスカからリマに戻った後そのまま帰国のために空港に向かったのですが、これもちょうどいいものでした。

リマのバスターミナルでは、出口にタクシーが集まっているので、空港へもアクセスしやすいです。

ナスカの旅のまとめ

ナスカについてのネットでの評判としては、地上絵フライトが期待外れという意見が多く、そのためにナスカ自体を旅のルートから外されがちです。

行くだけで大変な南米旅行の貴重な時間のうち、丸2日間をナスカに費やすのはちょっとした決断が必要なのは間違いありません。

しかし実際行ってみたら、ナスカの魅力は地上絵遊覧フライトだけではありませんでした。

誰もいない、人工物も見えない荒野に立って世界の果てを感じるような、日本ではできない体験をできる、めったにない場所です。

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