伊予灘ものがたり乗車記と愛媛県旅行記

伊予灘ものがたり3号車 国内旅行
伊予灘ものがたり3号車

先日、JR四国の人気観光列車である伊予灘ものがたりに乗車してきました。
この記事は、その時の体験をもとにした、伊予灘ものがたり乗車記を含めた愛媛県旅行記です。
伊予灘ものがたりへの乗車を含めた四国周遊を考えている人に参考にしてもらえればと思います。
また、愛媛県への旅行を考えている人にもいくらか参考になるかもしれません。

伊予灘ものがたりを含め、四国をお得に周遊した方法はこちらの記事を見てください。

では始めていきます。

松山

児島から松山へ移動

今回の旅行は岡山から入っての四国一周ということで、愛媛県入りの前日は岡山県の児島にいました。

この時の岡山県旅行記はこちら。

そしてこの日は今回の旅行の主目的であるものがたり列車の一つ、伊予灘ものがたりに乗ります。
その始発駅は松山駅ということでまずは児島から松山に移動します。

移動手段はJR四国の特急しおかぜ。
グリーン車もバースデイきっぷを使って追加料金なしで乗れました。
普段グリーン車なんて乗らないので、贅沢感をかみしめます。

全区間でグリーン車を抑えることができなかったからか、最初の停車駅である宇多津までは別車両の非グリーンの指定席でした。
宇多津で車両を移動することになるのですが、8号車から1号車までという結構な移動距離で、地味に大変でした。
なんならドア閉められてしまうんじゃないかくらいに焦るほどに。

乗車時間は約2時間半。
特急とはいえ、四国の北東部から北西部までの横断なので結構時間がかかります。
その日の朝一番の特急でしたが、松山に着いたときは午前10時過ぎでした。

伊予灘ものがたりの発車時刻13:31まで、観光に使える時間は約3時間。
ロッカーに荷物を預けて松山観光開始です。

道後温泉

松山を代表する観光地といえば道後温泉。
3時間観光に使えるとはいえ、移動時間も含めると道後温泉に入れればそれだけでいいかなと考えていました。
なのでまずは道後温泉に向かってみます。

道後温泉へのアクセスは路面電車を利用します。
ちなみに松山の路面電車は市内電車と呼ばれているそうです。

時刻表上では、松山駅から道後温泉駅までは約25分とのこと。
しかし路面電車は道路の渋滞の影響も受けるのか、実際には30分以上かかりました。
観光時間がじわじわ削られていくのでハラハラします。

ゴールデンウィーク中だったということもあり、車内も結構混んでいました。

道後温泉駅には10:58頃に着きました。
料金は後払いで、SuicaやPayPayといったメジャーな電子マネーは利用できず、現金払いの人が多いので精算で渋滞します。

駅を出て道後温泉に向かおうとすると、駅を出て道を渡ってすぐのところに坊ちゃんカラクリ時計がありました。

坊ちゃんカラクリ時計
坊ちゃんカラクリ時計

1時間ごとにカラクリが動作するとのことで、ちょうど11時のタイミングに遭遇することができました。
なかなかの人だかりです。

坊ちゃんカラクリ時計
坊ちゃんカラクリ時計

カラクリを眺めてから道後温泉に向かいます。

道後温泉本館は改修中なのですが、覆いのテントはド派手でそれ自体が見ものでした。

道後温泉改修用テント
道後温泉改修用テント

さて、道後温泉に着きましたが、この日は入浴整理券は配布終了とのこと。
電話やWEBでの予約ができないので現地まで来ましたが、入れないのは残念です。

もう一つの観光プランとして、道後温泉別館飛鳥乃湯泉に向かいます。

道後温泉別館 飛鳥乃湯泉

飛鳥乃湯泉(あすかのゆ)は2017年にオープンした新湯です。
道後温泉本館からは100mもないくらい近いですが、道はちょっとだけわかりづらいかも。

入口前の地面が派手派手で映え映えで楽しませてくれます。

飛鳥乃湯泉インスタレーション
飛鳥乃湯泉インスタレーション

まだ入ったことがなかったので中に入るのも楽しみだったのですが、こちらも人気で入場待ちが1時間ほど。
ものがたり列車に間に合わなくなってしまうので泣く泣く撤退しました。

松山城

道後温泉も飛鳥乃湯泉も入れないということで、さらに代案として松山城へ行くことにしました。

リフト

松山城は山の上にあります。
歩いて上ることもできますが、ロープウェイやリフトもあってそちらの方が楽です。
乗降箇所はどちらも同じ場所にあって、最寄り駅は路面電車の大街道駅。
ロープウェイとリフトはきっぷが共通なので、乗り場での混雑具合を見て決められます。

片道券は270円。往復券だと20円お得な520円です。
クレジットカードやSuica、iD等いろいろ使えて、キャッシュレス派にもありがたい。
ただしQRコード決済については、PayPayのような国産のものは使えず、AlipayとWeChatPayといった中国系のみ対応しているようです。

ロープウェイの方が速度が速いのですが、運行頻度としてはリフトが次々出ていくので、混雑具合を無視すれば、トータルでかかる時間は平均するといい勝負になりそうです。

下りのリフトは特に人気なようで、ロープウェイと比べて明らかに行列が長かったです。
松山市街を見下ろしながらゆっくり下りてこられるというのがポイントでしょう。

松山城リフト下り
松山城リフト下り

上り下りともリフトを使いましたが、この日は天気がよくてとても爽快でした。

松山城リフト上り
松山城リフト上り

日差しを遮るものがないので、夏は結構大変かもしれません。

天守閣

山を上り松山城天守閣の前まで来ました。

松山城天守閣
松山城天守閣

さて天守閣に入ろうと思ったのですが、さすがゴールデンウィークということで天守閣の入場も行列があり15分待ちとのこと。
ものがたり列車に間に合わなくなるリスクを考えて涙の撤退。
道後温泉に行かず初めから松山城に来ていればと思うとなかなか残念な結果になりました。

時間が少ない中で何か愛媛らしいことをということで、天守閣前の広場でみかんソフトを食べました。
みかんのつぶつぶ感が感じられておいしいです。

広場にはみかんジュースの出る蛇口もあったりと、さすが愛媛の県庁所在地でみかんを激推ししています。

ものがたり列車の時間の都合でバタバタと撤退し松山駅に戻ります。

松山まとめ

もともと観光時間の少ないプランでしたが、最繁忙期の混雑にぶつかってしまったこともあって松山ではほとんど何も観光できませんでした。

ものがたり列車に乗る前に松山観光をしたいなら、松山に泊まるのがいいかもしれません。

伊予灘ものがたり

松山では紆余曲折ありましたが、いよいよ今回の旅行のメインであるものがたり列車の1つ目。
伊予灘ものがたりに乗車します。

伊予灘ものがたりは一目でほかの車両との違いがわかるピカピカな車両でした。
とても鮮やかな色で、早く乗ってみたいという気持ちにさせられます。

松山側3号車は黄金色。

伊予灘ものがたり3号車
伊予灘ものがたり3号車

八幡浜側1号車は茜色。

伊予灘ものがたり1号車
伊予灘ものがたり1号車

車両入口前には足ふきマットもあり、非日常感をこれでもかとばかりに演出しています。

伊予灘ものがたり乗車口の足ふきマット
伊予灘ものがたり乗車口の足ふきマット

車内もとてもきれいで豪華な内装。

伊予灘ものがたり内装
伊予灘ものがたり内装

席にUSBポートがあり、スマホを充電できるのも地味にうれしい。

座席のテーブルには手作りの沿線マップも置かれていて地域を盛り上げようという気概を感じました。

伊予灘ものがたり沿線マップ
伊予灘ものがたり沿線マップ

伊予灘ものがたりに限らず、ものがたり列車全般、沿線住民の方から愛されているようで、列車の通過時刻に合わせて手を振ってくれる方がたくさんいます。
中には手作りの小道具まで用意して歓迎してくださる人もいて、本当に温かみを感じます。

伊予灘ものがたり沿線住民の歓迎
伊予灘ものがたり沿線住民の歓迎

食事

ものがたり列車の車内ではドリンクやおつまみやお菓子の販売があります。

伊予灘ものがたりのドリンクメニュー
伊予灘ものがたりのドリンクメニュー
伊予灘ものがたりの軽食メニュー
伊予灘ものがたりの軽食メニュー

しかしそれ以上に豪華な、事前予約制の食事があり、今回はそちらをいただくことにしました。
料金は5,500円で結構いい値段です。
バースデイきっぷを使い倒すだけならお得なはずなのですが、それ以上に散財していてまんまとJR四国の思うつぼにはまっている感があります。
ただし金額以上の満足感は間違いなく得られます。

メニューはフレンチのミニコースで、スープ、冷製料理、温製料理、コーヒーと順番に出てきます。

伊予灘ものがたりの食事コースメニュー
伊予灘ものがたりの食事コースメニュー

食事は時間帯的には遅めの昼食。
ミニコースとはいえ結構ボリュームがあり、昼食を抜いていてちょうどよかったくらいでした。

まずはスープ。

伊予灘ものがたりの食事・スープ
伊予灘ものがたりの食事・スープ

冷製料理。

伊予灘ものがたりの食事・冷製料理
伊予灘ものがたりの食事・冷製料理

温製料理。

伊予灘ものがたりの食事・温製料理
伊予灘ものがたりの食事・温製料理

コーヒー。

伊予灘ものがたりの食事・コーヒー
伊予灘ものがたりの食事・コーヒー

伊予灘ものがたりは途中駅で観光のための下車時間があるのですが、その時間も考慮しながらちょうどいいタイミングで次の料理が来ます。

車内で出てくるものとは思えないほどに、とてもクオリティが高くて幸せでした。
ものがたり列車は観光列車なだけあってコンテンツが充実していて、外を見たり途中駅で下車したり写真を撮ったりで、それにさらに食事を楽しむとなると結構食べるのが忙しく、贅沢な悩みです。

下灘駅

伊予灘ものがたりの停車駅で一番印象に残ったのは下灘駅でした。

下灘駅はホームのすぐ下に海が見えるロケーションで、過去何度も青春18きっぷのポスターになっているのも納得です。
簡素な屋根に簡素なベンチしかないホームから海を見下ろす構図は、郷愁を呼び起こします。

昔はホーム下の国道が通っていなかったらしく、もっと海が間近だったとのことでそれはそれは素晴らしいところだったのでしょう。

今回乗車した伊予灘ものがたりの八幡浜編のダイヤでは時間が合いませんが、北西が伊予灘になっているため、海に沈む夕日をホームから鑑賞するために訪れる人も少なくないようです。

今や駅自体が観光地化しているので、周辺には何もないのに、列車到着時にはホームに50人近くの方がいたように思います。

賑わう下灘駅
賑わう下灘駅

狭いホームにこれだけの人が集まって、列車の到着を歓迎する光景は、まさに桃鉄で目的地に到着した時のイメージそのものでした。

一点注意点として、熱烈な歓迎を受けられる一方で、人が多すぎてゆっくりはできないです。
ベンチと海という青春18きっぷのポスター的な構図の写真を撮りたければ、ものがたり列車以外で来る必要があります。
そもそもものがたり列車で来ると、ベンチの前の海に列車が重なってしまいます。

バースデーカード

ものがたり列車の素敵なおもてなしの一つがバースデーカードです。

着席後の検札できっぷを見せるのですが、乗車券としてバースデイきっぷを見せると、乗車中にアテンダントのかたから手書きのバースデーカードをもらえます。

これも一つの思い出になりました。

八幡浜

そうこうしているうちに終点の八幡浜に到着しました。
乗車時間約2時間20分はあっという間です。

八幡浜ではまた新たな乗客を乗せて、ものがたり列車は松山に戻っていきました。
ものがたり列車乗車中は沿線の方にたくさん手を振ってもらったので、そのお返しに出ていく列車を手を振って見送りました。

終点の八幡浜は特に何もないところで、始発の松山駅との格差がすごいです。
駅前にある典型的な廃墟ビルも地方感を強調していました。

八幡浜駅前
八幡浜駅前

八幡浜では特に何もせず、宇和島行きの列車で移動します。

宇和島

今回の旅のように、3種のものがたり列車とトロッコ列車を乗り継いでいく場合、宿泊地としては宇和島がそこそこ宿の数も多くて便利です。

宿の数に見合って、駅前はいくらか栄えています。
ヤシの木が南国感を出していて旅行の非日常感を強めてくれます。

宇和島駅周辺のヤシの木
宇和島駅周辺のヤシの木

観光スポット

宇和島駅周辺の観光スポットとしては、宇和島城や闘牛場があります。
ただ今回のように伊予灘ものがたり八幡浜編に乗って移動すると、宇和島に到着するころにはどちらも営業時間が終わっています。

宇和島観光をしたければ、翌朝のトロッコ列車を諦めたり余分に1泊したりと、プラン変更が必要です。

特に宇和島の闘牛は、一般的な闘牛のイメージであるスペインの闘牛とは絶対違うはずで気になります。
いつかまた来てみたいところ。

ご当地グルメ:鯛めし・さつま・じゃこ天

宇和島のメジャーな見どころは閉まっているので、その分ご当地グルメを楽しみます。

訪れたのは、かどや駅前本店。

宇和島だけでなく愛媛県を代表するグルメにもなっている鯛めしを目当てに行きました。

ここでは鯛めしのほかの宇和島名物であるさつま、じゃこ天もセットになったメニューがあったのでそちらを注文。

宇和島名物の鯛めし・さつま・じゃこ天
宇和島名物の鯛めし・さつま・じゃこ天

名物を一度に楽しむことができてよかったです。

松山にも店舗があるようなので、松山観光での食事にもおすすめできます。

宿泊:宇和島リージェントホテル

宿泊は宇和島リージェントホテルにしました。

駅からはちょっと歩く立地。

通り道のアーケード商店街はやたらと広いのですが人の姿が少なくて寂しさが出てます。

宇和島のアーケード商店街
宇和島のアーケード商店街

宇和島城が近いようで、アーケードの切れ目で見上げたら天守閣が見えました。

ふもとから見上げる宇和島城
ふもとから見上げる宇和島城

時間さえ合えば宇和島城観光には悪くない立地だと思います。

宇和島リージェントホテルはごく普通のビジネスホテルでした。

まとめ

岡山・四国旅行のうちの愛媛県についての記事でした。

プランの段階でバースデイきっぷでの四国一周を重視していた上に、当日の各所の混雑もあって愛媛県観光自体はだいぶスカスカになってしまいました。
これはいつか再訪したいです。

翌日の高知観光に続きます。

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