ロシア・サンクトペテルブルクからエストニア・タリンへの、夜行バスでの移動についての体験談です。
ECOLINES社のバスでの移動です。
夜行バス移動を選んだ理由
ロシア第2の都市サンクトペテルブルクから、エストニアの首都タリンへの移動手段はいろいろあります。
飛行機、バス、船と、陸海空が揃っていてバリエーション豊富。
鉄道はあるのかちょっとよくわかりませんでした。
日本から海外に行く場合のことを考えると、陸の国境は無いので空路か海路での国境越えになりますが、実際ほとんどの人は空路でしょう。
今回はせっかくの機会なので空路以外での国境越えを体験してみたいと思いました。
ロシア、エストニア、フィンランドと回る旅程で、海路の国境越えはエストニア・フィンランド間でできるので、陸路を選択。
鉄道の情報は見つからないので、バスで移動することにしました。
夜行にしたのは、宿代を1泊分浮かせられて、しかも時間を効率よく使えるからです。
そんなわけで夜行バスでの移動が決定しました。
チケット予約
サンクトペテルブルクからタリンに行くバスの便は何社かあるようです。
LUX EXPRESSの方がメジャーっぽいですが、今回はECOLINESというところを利用しました。
多分このリンクからチケット購入できるはず。
時間帯によって料金が微妙に違ったような気がしますが、今回は22ユーロでした。(2017年7月)
バスの座席の選び方
今回、2階の最前列通路側の席を選びました。
外の景色が楽しめると思ったからです。
しかし、よくよく考えてみればバスの中で眠りを取る必要があるということを考えると、外の景色を楽しむとかよりも、眠りやすさを重視するべきでした。
最前列はその点、街灯がまぶしかったりして眠るのにはあまり向いていません。
しかも白夜シーズンだったので、外が暗い時間が極端に短くてなおさらでした。
日中の移動なら最前列でもいいかもしれませんが、夜行で眠りたければ最前列は避けましょう。
バス乗車場所
今回利用するECOLINESのバスの、サンクトペテルブルクでの乗車場所の紹介です。
地下鉄の最寄り駅は、1号線のПушкинская(プーシキンスカヤ)駅。
駅を出て正面の通りを渡ったところにある公園の向かって左(南西側)の通りにバスが来ます。
ストリートビューではここ。
ちょうどストリートビューでもECOLINESのバスが停まっています。
バス乗車
バスの発車予定時刻は22時30分。
その15分前に乗車場所に着きました。
すでにバスは来ていて乗車手続きも始まっています。
チケットとパスポートを見せてチェックインです。
それから大きな荷物を預けて、自分は車内へ。
なにしろ乗客がたくさんいるので、バスは12分遅れで出発しました。
車内でのできごと
バスに乗ってしばらくすると、隣に乗っていたおばあさんがノートPCを取り出して起動しました。
その動作をなにげなく眺めていたところ、なんとOSがUbuntuでした。
MacじゃないからWindowsかなーとか考えていたところにこれはびっくりです。
これが海外のコンピューターおばあちゃんか。
これから向かうIT大国エストニアの片鱗を見せつけられた気がしました。
(そのおばあさんがエストニア人なのかどうかはしりませんが。)
しかしこのおばあさん、ノートPCで映画を観るのですが、イヤホンをしているものの接触が悪いようでPC側のスピーカーから爆音が出ています。
しかも本人はまったく気づいていない。
実は思ったほどコンピューターおばあちゃんじゃないっぽい。
(爆音については周りの乗客で指摘して解決しました。)
国境越え
ロシア出国前のパスポートチェックその1
0時45分。
電車の踏切のようなゲートの前でバスが停まり、軍人だか警官だか分かりませんが係の人が1人乗ってきて、パスポートのチェックを行います。
パスポートの顔写真と本人の顔を見比べるということでもなく、ただパスポートを見るだけなので、何をチェックしているのかは不明でした。
おまけに乗客全員をチェックするわけでもありませんでした。
謎のチェックです。
5分程度でバスは再出発しました。
ロシア出国前のパスポートチェックその2
0時55分。
さっきと同じような、踏切のようなゲートの前でバスが再び停まり、これまたさっきと同じようなパスポートチェックが行われました。
やはり意味不明なチェックです。
同じく5分ほどでバスが再出発。
ロシア出国
1時5分。
ロシア側の国境らしきところでバスが停車しました。
今まで停車したゲートとは違って、ここにはちゃんとした建物があります。
外を眺めていると、まず運転手が外に出てパスポートコントロールを受けているようです。
それが終わると乗客のパスポートコントロール。
ロシア語が分からないので、間違っても置いていかれないよう、最後尾になることだけは避けましょう。
税関申告の有無で本来は並ぶ列が異なるはずなのですが、深夜で国境審査官が2名しかいないので、どちらに並んでも違いはないようでした。
深夜の国境で、静かにパスポートコントロールが進んでいきます。
ちなみに、深夜で日付が変わっていたのですが、スタンプの日付は前日(日付が変わる前)のものでした。
パスポートコントロールの後にはトイレもあるので、ついでにここで済ますのがいいです。
個室が2つあって男女分かれているのかと思いきや、どちらも男女兼用でした。
1時25分頃、全員がパスポートコントロールを通過して、バスは再出発。
パスポートコントロールの建物の少し先にはDUTY FREE SHOPのネオンが闇の中で輝いていました。
こんな深夜でもやっているんだろうか。
バスはすぐ出発なので、寄る暇がなくて確かめられません。
ロシア出国スタンプの確認
1時30分。
バスは再び停車し、またまた係員が乗り込んできました。
また謎チェックかなと思ったら、今度は出国スタンプが押してあることの確認という明白な目的があるようです。
(と、おばあさんとは反対側のとなりのおねえさんが教えてくれました。)
なので、出国スタンプが押されているビザのページを開けて待機。
スムーズにチェックが終わりバスは再出発。
国境越え
いよいよ国境越えです。
往復1車線ずつの細い道路の両脇に高いフェンスが設けられていて、ものものしい雰囲気。
せっかくなら夜ではなく、昼の明るい時間に見たかった。
雰囲気はものものしいですが、通過は一瞬でした。
エストニア入国審査
1時40分。
今度はエストニア側の国境で入国審査です。
ロシア側では看板等の各案内の第一言語がロシア語だったんですが、エストニア側の建物では、第一言語がロシア語ではなくなります。
英語だったかエストニア語だったか忘れましたが、とにかくなじみのあるアルファベット表記になるので、それだけでロシアを脱出したという実感がありました。
別に危険な目にあったわけでもないにも関わらず、なんだかほっとします。
エストニアの入国審査は、ロシアの出国審査より時間がかかります。
人によってはべつの部屋に連れていかれたりしていました。
言葉がわからない状況なのでめちゃくちゃ恐ろしいです。
50分ほど経って、全員通過。
ロシアの出国審査は全員で20分ほどだったので、2.5倍ほど時間がかかりました。
そうして2時20分、バスは再出発しました。
休憩
出発したと見せかけて、すぐに停車。
5分ほどの休憩タイムになりました。
自販機やトイレがあるわけでもないので、あまり意味のない時間です。
2時25分。
0時45分ごろからの一連の国境越えが終わって、バスは再出発し、タリンに向かって走り始めました。
バス降車
降車時のトラブル
エストニアに入ってからバスは順調に進み、いくつかの停留所で乗客を降ろしながら、おおよそ時間通りにタリンのバスターミナルに到着しました。
今回の移動で一番恐ろしかったのは、終点に到着してもなにもアナウンスがないことです。
ロシア語やエストニア語でアナウンスがあったというわけではなく、完全に無言でした。
そして、このバスはこのままお隣ラトビアの首都リガに向かうらしく、次の乗客がどんどん乗り込んで来ます。
当初終点に着いたことが分からず、席に座ったままでいると、ラトビア行きの新しい乗客と座席がバッティングするので、バスを追い出されました。
そこで終点に到着したことを悟って、荷物を出してもらおうとしましたが、すでに新しい乗客の荷物がいっぱいで、奥の方に追いやられていて取り出せません。
さらに悪いことに、サンクトペテルブルクからタリンまでの運転手と違う人に対応されて、どうも事情が通じていないようです。
なんだか言い合いになっているうちに元の運転手が登場して、そちらに事情を話したらなんとか荷物を取り出してもらえて解決しました。
下手したらラトビアまで荷物を持ってかれてしまったかと考えると本当に恐ろしい体験でした。
バスの終点の場所は事前に把握しておく必要があるということです。
バス降車場所
というわけで、バスの降車場所を紹介します。
バスの終着点、タリンのバスターミナルは、ストリートビューで見るとこんなところです。
バスターミナルの特徴として、このロゴを覚えておきましょう。
このロゴが見えたら降車と考えておけば大丈夫だと思います。
バスを降りた後は
バスを降りた後は、トラムに乗って街の中心に行くのがいいでしょう。
それについてはまたいつか。
移動の感想
国境越えは思ったほど大したイベントではなかったです。
過度に期待しすぎていました。
荷物が取り出せないトラブルは今回の旅の中ではトップクラスに面倒だったので、乗り物の降車のタイミングには今後気をつけようと思います。
以上、サンクトペテルブルクからタリンへの夜行バス移動の体験談でした。
関連リンク
このブログの、ロシア・北欧旅行記へのリンクはこちらにまとまっています。
コメント