私は以前ICL手術を受けたことがあります。
ICLとは視力矯正のための治療法の一つで、目にレンズを入れっぱなしにする施術です。
ここでは、これからICLを受けようか考えている人向けに、私個人のICL体験談をお伝えします。
この記事を読んで、ICLを受けるかどうか参考にしていただければと思います。
ICL手術を受けようと思った理由
私は小学校高学年の頃から視力が悪くなり、それ以降学生時代までは眼鏡で過ごしていました。
何年もの間眼鏡生活でしたが、常にいろいろと煩わしさを感じていました。
- スポーツの際、眼鏡が邪魔になることがある
- 温泉やサウナに入る時、裸眼だと周りがよく見えない
- 冬や花粉症のシーズン、マスクをすると眼鏡が曇る
- 異性に対する魅力が落ちる
社会人になってから、このような煩わしさを解消するためにワンデータイプのコンタクトレンズを使い始めました。
しかし、コンタクトレンズには眼鏡とは別の煩わしさがありました。
- コンタクトを付けたり外したりという毎日の作業が必要になる
- 旅行の際、荷物に日数分と予備のコンタクト、さらには緊急用に眼鏡を入れなければならず、スペースを取る
- スポーツの際にコンタクトが外れることがある
- コンタクトを付けたまま寝てはいけない
このように、眼鏡であってもコンタクトであっても、なんらかの煩わしさが常にある状態でした。
また、コンタクト生活が長くなるにつれてもう一つ気になることがありました。
- コンタクトの付け外しのために毎日目を直接指で触ることは、目を傷つけるリスクがあるのではないか
これらの煩わしさやリスク感から解放されてQOLを上げたいと思い、ICL手術を受けることにしました。
レーシックではなくICLを選んだ理由
視力矯正のための手術としては、ICLのほかにレーシックが有名です。
レーシックの方が一般的に費用が安いのですが、私はICLを選びました。
その決め手は2つありました。
角膜を削らないため、可逆性がある
ICLではレーシックと異なり、角膜を削らず、目の中に人工のレンズを入れます。
このレンズは後から取り出すことも可能で、つまりICL施術には多少の可逆性があります。
一方でレーシックでは角膜を削ってしまうと再生しないため、取り返しがつきません。
ICLの取り返しのつく感じが気に入ったので、私はICLを選びました。
視力戻りが少ない
レーシックの場合、視力矯正のために角膜を削って薄くするのですが、術後だんだんと角膜の形が変わって、視力が再び悪くなることがあるそうです。
一方で、ICLの場合は視力が再び悪くなるということが起こりづらいということで、その点もいいと思いました。
ICLとレーシックの比較
先に挙げた点が、個人的に気に入ったICLの長所ですが、他にもICLとレーシックでは違いがあります。
ここで簡単に紹介します。
ICL | レーシック | |
---|---|---|
視力矯正の方法 | レンズを目に入れる | 角膜を削る |
施術費用 | 比較的高い | 比較的安い |
視力戻り | 比較的起こりづらい | 比較的起こりやすい |
ICL手術の流れ・手術まで
ここからは、ICL手術の流れを紹介します。
適応検査
ICLを受けようと思ったら、まずは手術前に適応検査が必要となります。
眼の状態を細かく調べて、ICL手術が実施可能か確認し、また入れるレンズの度を決めるためのものです。
この検査を受けてみないと、実際にICL手術を受けられるかどうかはわからないです。
検査の内容は、視力や眼圧といった健康診断に近い検査に加えて、瞳孔を開く目薬を差しての検査やお医者さんによる診察等で、大体トータル3時間くらいでした。
費用について私が調べた限りでは、適応検査までは無料で、実際にICL手術を受けるとなった際に支払いとなるパターンが多いようです。
適応検査での視力検査は、手術の際に入れるレンズの度を決めるためのもので、ひいては今後の一生の見え方に影響すると思うとちょっとドキドキしました。
とはいえ、視力をよくしたいからと言ってわざと検査を間違えたりすることなく、正直に受けました。
レンズ納品待ち
適応検査の結果、私は無事にICL手術を受けられることになりました。
手術にあたり、各患者の見え方に応じた度に合うレンズを入れる必要がありますが、私の場合はレンズの在庫が国内になかったため、納品されるまで1か月ほどかかりました。
乱視の方が在庫不足になりやすいのかなと思います。
納品後に病院からの連絡を受けて手術日を決めました。
手術前日まで
私の場合、普段使っているのがソフトコンタクトだったので、手術の準備は3日前から始まりました。
手術前日までは通常通りコンタクトレンズを付けても大丈夫ですが、3日前からは毎日4回、適応検査の際にもらった目薬を差して、眼のコンディションを整える必要があります。
これを忘れると当日手術が受けられなくなるとのことで、忘れずしっかりやりました。
しかし、目薬を差すこと以外に特に制約がないというのは、個人的に結構意外なことでした。
手術当日
いよいよ手術です。
手術当日は、朝に目薬を差し、コンタクトをせずに病院に行きます。
事前に服装についていくつか注意点がありました。
- 頭を固定しやすいよう、フード付きの服は禁止
- 手術の際にゴミが入らないよう、セーター等埃の出やすい服は禁止
- 頭を動かしやすいよう、タートルネックは禁止
夏だと問題にならないかもしれませんが、私は真冬に受けたので、服装に関してちょっとだけ悩みました。
病院に着いたら待合室でまた目薬を差し、さらに瞳孔を開く目薬を差されます。
手術の30分くらい前からは専用の待合室に通され、5分おきに麻酔の目薬を差されながら目を閉じて待ちます。
だんだんと麻酔が効いてきて、目薬を差されても差された感触があまりないのが、新鮮な感覚でした。
また、この間にマスクや髪を覆う紙のキャップを付けさせられ、さらにテープで固定されます。
手術直前、眼に印をつけられました。
乱視があったため、角度の目印にするものだったのかなと思います。
目玉に直接ペンのようなものでマーキングされるという、人生で初めての経験でびっくりです。
そしてついに手術室に通されます。
執刀の先生1人と助手の方が1人か2人くらいで、意外と少ないなと思いました。
手術台に横になり、まつげをテープで止められます。
ここから先自分では様子がわからないのですが、器具で目が閉じないように固定し、眼の周りだけ残して顔や体はカバーで覆われました。
継続的に麻酔目薬を差されながら手術が始まります。
ライトが下りてきてとても眩しいのですが、眼の向きを固定するため、光の中の一点を見ておくように言われます。
そして実際に眼をいじられ始めます。
全身麻酔ではないので身体も顔も、眼の向きすらも動かそうと思えば動かせるわけで、それでもじっとしていなければならないというのはちょっと緊張します。
時折目に圧力がかかったり、急に見え方が変わったりと目まぐるしいのですが、手術自体はあっという間で両目で30-40分程度で終わります。
手術後は再び専用の待合室に通され、そこで目を閉じて待ちます。
手術直後は目の違和感がすごく、何も言われずとも眼を開ける気力はありませんでした。
10分前後ほど休憩した後は、眼圧等の検査、お医者さんによる診察を終えて帰宅となります。
いろいろありましたが、当日病院での滞在時間は2時間前後くらいで、意外とさくっと終わります。
ICL手術の流れ・手術の後
ここからは手術後のことについてです。
手術当日
手術当日は、眼への負担を最大限減らすよう、多くのことが制限されます。
- 飲酒禁止
- 喫煙禁止
- 運動禁止
- 入浴禁止
- 洗顔禁止
- 仕事禁止
- 運転禁止
- 読書禁止
- PC禁止
ほぼ何もできず、できることは食事・睡眠・トイレくらいです。
こうなることは事前にわかっていたので、私の場合は手術後にとにかく眠れるよう、なんならちょっとだけ寝不足気味くらいな感じで手術当日を迎えました。
手術の後は眼に傷がある状態なので、感染を防ぐために目薬や内服薬を使い始めます。目薬は1日2-4回、内服薬は10錠渡されて1日3回ずつ飲みました。
また、眼にゴミが入るのを防ぐため防護用の眼鏡を1週間ほど、屋外に出る際は着用する必要があります。
手術翌日
手術翌日は、術後の検査のために再度病院に行きます。
ここでまた視力検査がありました。
私の場合、両目とも1.5になっていて結構嬉しかったです。
視力の他、眼圧の検査や先生による診察もありますが、全部で30分程度でした。
検査で問題なければいくつか解禁されます。
- 喫煙可
- 入浴可
- 仕事可
- 運転可
- 読書可
- PC可
手術2日目以降
ここから先は追って記載します。
手術1週間以降の制約
手術後1週間で多くの制約が解禁されますが、それ以降もいくつか禁止事項があります。
- 手術後1か月は激しい運動禁止
- 手術後3ヵ月は海・プール・温泉等に裸眼で入るのは禁止
- 手術後ずっと、ボクシング等眼に衝撃が加わるようなことは禁止
- 眼に入っているレンズがずれてしまうおそれがあるそうです
ICLのメリット・デメリット
ICL手術を実際に受けてみた感想も踏まえて、メリット・デメリットをお伝えします。
ICLのメリット
- 眼鏡・コンタクトの煩わしさから解放される
ICLのデメリット
- 費用が高い
- 私の場合、40万円台でした。とはいえ今後の人生でのコンタクトレンズ代を考えれば十分元がとれます
- 手術後の制約が多い
- 光を見た時、周囲に光の輪のようなものが見える
- 経験者いわく、じきに慣れるそうです
並べてみるとデメリットの方が数は多いのですが、それでも煩わしさから解放されるという一点だけで、私は非常に満足しています。
ICLがおすすめの人・おすすめできない人
私が感じたメリット・デメリットをふまえると、ICLがおすすめの人・おすすめできない人は次のようになります。
ICLがおすすめの人
- 眼鏡・コンタクトから解放されたい
- レーシックでの視力戻りが不安
ICLがおすすめできない人
- ボクシングのような、眼に衝撃のあることをしている、もしくはする予定がある
まとめ
この記事では、私がICLを受けた際の体験談を紹介しました。
ICL手術を受けようか考えている方への参考になれば幸いです。
さらに気になることがある方は、ご連絡いただければ可能な範囲でお答えします。
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