【本】図説 西洋建築の歴史: 美と空間の系譜

サン・ピエトロ大聖堂のクーポラ

最近いろいろと旅行記を書いていて、建築様式に対する知識不足を感じていました。

ちょっと勉強してみようと思って、ある本を読んだのですが、思いのほか面白かったので紹介します。

本の紹介

紹介する本はこちら。

「ふくろうの本」というシリーズはたまに見ますが、どれもほどほどの文章ボリュームで写真が多いので、イメージしながら知識を仕入れられて役に立ってます。

タイトルからすると、建築様式、建築史を知りたい今の自分にとってはすごくぴったりな気がしました。

本の特徴

王道的な建築史の内容を期待していましたが、この本はちょっと切り口が違いました。

建築史といえば、歴史の流れという時間的な要素に注目するのが普通だと思います。

ところがこの本では地理という空間的な要素で、まず建築史を2つに分けます。

自分がイメージした、一般的であろう西洋建築史とは異なる着眼点でインパクトがありました。

アルプスで南北2つに分ける

まず、アルプス山脈の南北でヨーロッパを2つに分けます。

南はギリシア・ローマから始まる地中海世界。

もう一方、アルプスの北側の世界は、中世から発展する。

気候について見れば、南側は日照時間が長く湿度は低く、光が強くて陰陽がはっきりする。

北側は、日照時間は短く湿度が高く、霧が出やすくて見通しが悪い。

南は穏やかな自然があり、北は鬱蒼とした森や厳しい自然がある。

南で生まれたのが古代のギリシア建築、ローマ建築。

中世では目立たないが、近世になってルネサンス建築、バロック建築、さらに新古典主義建築が発展。

北では古代の初期キリスト教建築に始まり、中世のロマネスク建築、ゴシック建築。

さらに近代のゴシック・リヴァイヴァル。

南の建築は壁で重量を支える構造だが、重視されているのは柱。

北の建築は柱で重量を支える構造だが、重視されているのは壁や空間。

見事に対照的になっていて、すごく頭に残りやすい。

建材と構造の話

ヨーロッパで利用される石材の特徴と、それが建物の構造に与える影響の話も分かりやすかったです。

石材は圧縮に強いが引っ張りには弱い。

だからアーチ構造になる。

これが木材の場合だと圧縮に対する強さも引っ張りに対する強さも同じくらいだから梁構造になる。

読了後の影響

今までは、ロマネスク、ゴシック、ルネサンス、バロックという順番やその特徴をひたすら暗記しがちでしたが、今回の勉強で時代や風土の面での意味を持った流れを感じることができて、記憶によく残りそうです。

今度ヨーロッパに行くときは、地理的な要素にも注目して建築を見ることでしょう。

読んでていろいろと発展した考えを持てる部分もありました。

南側は穏やかな自然と共存する形の多神教的世界観が育まれ、一方で北側は厳しい自然に服従する一神教的な世界観になったんだろうとか。

建材については、引っ張りに強くて圧縮に弱いものってないのかなと思って調べたら、鋼だと分かったりして、本の外の要素も含めいろいろ知識を得られました。

振り返り

この本を読んだ後、これまでに訪れた西洋建築を振り返ると、建築史についても個々の建築物についても理解が深まります。

本の中で紹介されたものに限ってもこれだけあります。

パンテオンコロッセオ、コンスタンティヌスの凱旋門はローマ建築。

イギリスのソールズベリー大聖堂はゴシック。

カンピドーリョの丘に面した3つの建物は後期ルネサンス。

サン・ピエトロ大聖堂とサン・ピエトロ広場はバロック。

ロンドンのセント・ポール大聖堂もバロック。

ロンドンのウェストミンスター宮殿はゴシック・リヴァイヴァル。

ロンドンの大英博物館は新古典主義の代表作。

個人的に一番好きな西洋建築はサグラダ・ファミリアなんですが、それはこの本で紹介された様式には当てはまらないようです。

ガウディは現代寄りの建築家ってことですね。

まとめ

今回は本の紹介記事でした。

仕入れた知識で今後の記事に深みを出せればと思います。

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